090-xxxx-xxxx

 

知らない番号から電話がかかってきた時。いつもは平然と無視を貫いて、後でググって必要に応じて再度かけなおすという多少めんどくさい一連の流れが私にはあるのだけれど、今日は何故か違って通話ボタンを押してしまった。

「もしもし〜?覚えてるー?」

スピーカーから聴こえるどこにでもいそうな男の声。もう逃れられないからあれ、すみません誰ですかと率直に聞いた。

「あれ?覚えてないの?」 

「...全く覚えてないです^^;」

でもやりとりの中で誰か思い出した。というよりも思い出させやがった。思い出したくもない男だった。はじめ期待してしまった自分が恥ずかしくなって、「うーん誰かわかんないです」で最後まで説き伏せた。